最終更新日: 2005年06月15日(水)
低迷していた松下電器産業を奇跡的にV字回復させた、同社社長の中村邦夫氏が、『文藝春秋4月号』誌上で語っています。以下は、その抜粋です。
「松下幸之助というと、最近は、温情家の一面ばかりが強調され、経営者としての合理的精神に基づいた厳しい一面は一般には伝わっていないようです。松下の経営は家族主義的だとか日本的経営の典型だなどとよく言われます。しかし、創業者の発言を改めて辿ってみると、「高能率・高賃金」ということを折にふれ言っていることに気づかされます。「高能率・高賃金」、つまり、「高賃金」の前に「高能率」が来る。「『高能率』を達成できないと『高賃金』にはならへんよ」と、創業者は説いていたのです。ところが、残された我々が創業者の言葉を都合よく解釈してしまった。「高能率」はどこかに行ってしまい、「高賃金」だけが残ったのです。」「“日に新た”という創業者が好んで使った言葉があります。この言葉には、経営は日々、改革が必要、という思いが込められています。かつて、ある幹部社員が創業者に「社主は朝、昼、夕で言うことがまったく違う。そんなにコロコロ変わったら経営者としてまずいのではないですか」と意見したことがあるそうです。すると創業者はどう答えたか。「何を言うとるんや。経営者というものは常に変化していかないといけないんや。朝令暮改どころか朝令昼改でもいい」と言ったといいます。創業者は理念・哲学以外は変わらなければいけない、変わらない方がおかしいんだ、という思想哲学に徹した行動をとったのでしょう。」「社のことをよく知らない方たちが社の方針について意見を述べられたとしても、それに従うことは難しい。あるコンサルタント会社が経営調査に入り、分厚い報告書を作成したことがあった。それを社員から手渡された創業者は「これ何や?」と首を傾げ、報告書について説明を受けるや、「君な、他人にわが社の経営のあり方を決めてもらうような、そんなボケた経営者とわしは違う。わしらが決めるんや」と言い放った。」
(文藝春秋4月号「幸之助精神」の破壊者と言われて 松下電器産業社長 中村邦夫)
参考になりましたでしょうか。
(所長 布川 博)
平成17年度の税制改正(その2)
中小企業関係税制
○中小企業の新たな事業活動の促進に関する法律(案)の制定に伴い、中小企業における経営革新・創業促進の支援のための税制上の措置が講じられました。
「中小企業が同法の経営革新計画に従って機械装置を取得して事業の用に供した場合には、取得価額の30%の特別償却又は7%の税額控除(リース資産についても7%の税額控除)の措置」
教育訓練費についての税額控除
○教育訓練費の増加額の25%を法人税額から控除する制度が創設されました。
(注)中小企業については、各年度の教育訓練費の総額に対し、次の控除率による税額控除。
教育訓練費増加率が40%以上 20%
同上 40%未満 教育訓練費増加率×0.5
その他
○確定申告又は年末調整の際に、国民年金保険料の納付証明書の添付等が義務づけられました。
(注)この改正は、平成17年分以後の所得税について適用されます。
以上、前号に引き続き、主な税制改正点を箇条書きしてみました。
尚、詳細については監査担当者にお尋ね下さい。
(鈴木 勉)
知って得する税金知識
愛知万博に行って節税しよう!?
法人が取引先に何かのイベントの入場券を贈った場合、その購入費用は、通常は交際費として処理します。従って、全額が損金になることはありません。
しかし、愛知万博に関しては、法人が販売促進等の目的で取引先等に入場券のみを贈った場合、その購入費用は交際費ではなく、販売促進費等で処理することになっています。ということは、全額損金扱いになるということです。また、企業等が従業員の慰安会、レクリエーション等として、愛知万博を見学させる場合の入場券の購入費用は、源泉所得税が発生する給料扱いではなく、福利厚生費となります。さらに、見学に通常要する交通費、宿泊費等についても福利厚生費となり、従業員の家族を含めて実施した場合も同様の取り扱いになります。社員旅行を企画している社長さん、愛知万博も候補に入れてみてはいかがでしょうか?
(第1課係長 小野瀬一敏)
職員紹介(7)
氏名:吉原 稔 入所年月:平成5年9月 所属課:第1課
私が入所して11年余が経ちました。厳しい経済環境が長々と続いていますが、経営者の方々に、少しでもお役に立てる様に日々精進していきたいと思います。
上司の一言
税法の知識が深く、緻密で、妥協しない仕事をします。中堅職員として、業務に対し、より積極的な取り組みを期待したいと思います。
(所長代理 殿岡勝夫)
編集後記
政府は今、地球温暖化対策の一環として、“省エネルック”を励行しています。これからの時期、職場において冷房がフル稼働しがちです。“省エネルック”には若干抵抗があるものの、「職場の冷え過ぎ防止」は、皆で真剣に取組んでいきたい課題です。ともあれ、今夏が猛暑にならないことを願いたいものですね。
(鈴木 勉)
※記載されている内容は執筆時点(2005年06月15日)の情報に基づいています。