最終更新日: 2007年01月10日(水)
かわらばん ぬのかわ 2007年 確定申告特集号 |
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今年も間もなく所得税の確定申告の受付が始まります。確定申告には、確定した年間の税額を申告するばかりでなく、「源泉徴収」された税金や、すでに予定納税で納めた税金の総額などと比較し、税金の額が超過している場合には戻してもらったり、反対に足りなかった場合には追加で支払ったりして、最終的な税額を精算するという目的もあります。そこで今回は、「申告しなければならないケース」、「申告すると得をするケース」についてご紹介致します。 *申告しなければならないケース*
事業所得や不動産所得がある場合、申告をする必要があるのはいうまでもありませんが、次の様な場合にも申告が必要となりますのでご注意下さい。
1.土地の売却をされた方の申告
譲渡所得の申告が必要となります。居住用財産を売却した場合、軽減税率の特例を受けられる場合があります。また、土地建物が収用された場合は特別控除として、譲渡所得から最高5,000万円まで差し引く特例などを受けられる場合があります。特例を受けるためには、申告をすることが必要です。 2.ゴルフ会員権を売却された方の申告
譲渡所得の申告が必要となります。ゴルフ会員権を売却した場合の所得は、総合課税の譲渡所得になります。最近は、ゴルフ会員権の相場が下落し、売却しても損をするケースが大半のようです。このゴルフ会員権の譲渡で生じた赤字は、他の所得と損益通算ができますので、給与所得や事業所得などから差し引くことが可能です。
3.副収入、サイドビジネスのある方の申告
副収入による所得金額が20万円以上ある方は必ず申告が必要となります。給与所得者であるサラリーマンの中には、本業以外に副収入があったり、サイドビジネスをされている方がいます。このような方の中で、給与収入が2,000万円以下であり、給与所得以外の所得金額(必要経費を引いた金額)が20万円以下である場合は確定申告をする必要はありませんが、その所得金額が20万円を超える場合には確定申告をしなければなりません。副収入の種類としては、複数の会社からの給与、不動産貸付による賃貸料のほか、原稿料や講演料などがあります。
4.生命保険金や損害保険金を受け取られた方の申告 一時所得の申告が必要となります。一時所得とは、他の所得に当てはまらず臨時に得た所得のことをいいます。満期保険金を受け取られた場合、所得税の対象となるのは保険料負担者と保険金受取人が同一の人物である場合に限られます。保険金の受け取りの他に、立ち退き料、クイズ・懸賞の賞金、競馬・競輪の払戻金も対象になります。 5.相続時精算課税を選択し住宅取得等資金の贈与を受けられた方の申告 贈与税の申告が必要となります。この特例の適用を受けるためには、贈与税の期限内申告書にこの特例を受ける旨を記載すると共に、相続時精算課税選択届出書、住民票の写し、登記事項証明書、耐震基準適合証明書など一定の書類を添付しなければなりません。
*申告すると得をするケース*
平成18年中に多額の医療費を支払われた方や、借入をして住宅を購入された方は、税金が還付される場合があります。
1.
医療費控除 【対象となる医療費の要件】 (1)納税者が自分自身又は自分と生計を一にする配偶者やその他の親族の為に支払った医療費 (2)その年の1月1日から12月31日までに支払った医療費
【対象となる金額】 次の式で計算した金額(最高で200万円)です。 (実際に支払った医療費の合計額 - イの金額) - ロの金額 イ 保険金などで補てんされる金額 ロ 10万円 ※その年の所得金額の合計額が200万円未満の方はその5%の金額
【控除を受ける為の手続】 医療費控除に関する事項を記載した確定申告書を提出して下さい。その際、医療費の支出を証明する領収書を確定申告書に添付して下さい。また、給与所得のある方は源泉徴収票も(原本)も添付して下さい。
2.住宅借入金等特別控除 住宅ローン等を利用して住宅を新築や購入又は増改築等をした場合で、一定の要件に当てはまるときは、借入金等(住宅の取得とともにするその住宅の敷地の用に供される土地等の取得の為の借入金等も含む)の年末残高の合計額を基として計算した金額をその住宅を居住の用に供した年以後の各年分の所得税額から控除することができます。 但し、給与所得者が最初にこの特別控除を受ける年分については、確定申告をすることが必要です。確定申告した年分の翌年以降の年分については、年末調整で受けることができます。また、給与所得者が確定申告をする際は、給与所得の源泉徴収票(原本)も必要となります。
3.退職後、未就職で年末調整を受けていない方の申告
退職をして年内に次の就職が決まらなかった場合、所得税は「納め過ぎ」になることが多い為、確定申告を行えば税金が還付されます。給料以外に収入のなかった方は、退職先からもらう源泉徴収票と生命保険・損害保険の控除証明書が必要となります。また、退職後に支払った社会保険料の申告記載もお忘れなく。
確定申告について「もっと詳しく知りたい」、「申告の手順が分からない」といったご要望、お悩みは当事務所までお気軽にご相談下さい!
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※記載されている内容は執筆時点(2007年01月10日)の情報に基づいています。